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セカンド・ラブ (文春文庫)

セカンド・ラブ (文春文庫)

 

 好きすぎて二度目読み✌ 好きだ好きだって言いながら、どういう点に惹かれて好きだと思っていたかを忘れていた。軽率に好きだって言うな。やっぱり一気読みしてしまって、世界に没頭していた~~何度も言うけどリピート、スリープ、セカンドラブが乾くるみの3大名作だと思う異論は認める。つくづく春香?は恐ろしい女だし、結局どっちなのか考察を見るまで分からなくなるところもいい、読者に委ねすぎるオチはあんまり好きじゃないけど、いろんな解釈ができてこちら側が選べるものはフィクションとして素晴らしい形だなと思うから望ましいです。中森明菜宇多田ヒカルの楽曲をテーマに話が進んでるのもいい、「7回目のベルで受話器を取った君」なんかがさりげなく盛り込まれてて、私のやりたかった音楽を文章に~ってやつさらっと叶えてくれてるこれをだれかコブクロでやってくれないかなすべて気付くよ

 

1度目は読み流したけど、2度目は気になった箇所がありました。

 

初対面で満点に見える人がいたとして、その人を良く知れば知るほど当初のイメージとは違って下がっていくのが普通だが、ごくまれにどこまでも満点であり続ける人というのがいる。だったらその人こそが自分にとっての完璧な人だろうか?という問いに対して、必ずしもそうであるとはいえない、その場合問題は相手にではなく相手を評価する自分の心にある。って書いてたんですよ~~。いつもは長所に感じる優しさが時として頼りなさに見えたり、意志の強さをわがままに感じたり、同じ一人の人間が同じ相手を評価しているのに、時として(状況、気分次第で)長所が短所に見えてしまう。つまり

 

評価軸の「ぶれ」が自分の中にある限り、「完璧」な相手など見つかるはずがない。

 

えっそんなの無理じゃない、ぶれがない人間なんているのか???と思いながら読み進めると、ならば自分の中の「ぶれ」をなくせばいい。要するに、完璧な人を見つけたければ自分のほうが先に完璧になるしかないのだ。同じ美しいものを「美しい」と感じ続けること、やさしいと感じたものはやさしいと評価し続けること。人間の感性は放っておけば変化するが、それを変えさせない意志の力がありさえすれば完璧な相手が見つかる可能性はゼロではなくなる。とのこと。言いたいことは痛いほど分かるけど、何年も生きてて評価軸が全く変わらないなんて面白みの欠片も無くない?

 

小さい頃に好きだと感じたものを何年経っても好きで居続けられる尊さは知ってるし、そう在れたら素敵だとも思うけど、妙にこの作品中で述べられるそれは、完璧を見つけたいなら少しの心の動きぐらい「意志の力」で殺して一定の評価をし続けろと言われているようでならない。実際主人公が他人からの評価をころころ変えられることが嫌で、相手には同じような理不尽な思いをさせたくないって話してるシーンがあるんだけど、いや誰と関わるか、相手がどう動くかによって自分が変わるのなんて当たり前だしそういう変化を楽しめない人間にはなりたくないしそれなら私は完璧なんていらないなと思う、いやほしいんだけど、自分が努力した末に見つけた完璧は果たして完璧なのだろうかと思うと答えは否だからである。

 

 

 

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